棚卸のたびに同じ材料や仕掛品が残っていても、数量の一覧だけでは、誰が何を調べて処置を決めるかが分かりません。長期滞留在庫のリストには、品目、動かなくなった時点、現物の状態、管理用の金額に加え、処置案と担当者、決裁者、期限を持たせましょう。まずは長期かつ高額、または使用可否が不明な品目を選び、調査する人と回答日を決めるところから始めます。
ただし、日数が長い在庫を一律に廃棄するための表ではありません。補修用など、持ち続ける理由がある在庫もあるためです。この記事では、原材料、仕掛品、製品の違いを残しながら、動きの根拠と処置の経緯を同じ一覧で追う方法を紹介します。22項目は管理表を作るための提案なので、自社の在庫区分や承認手順に合わせて使ってください。
| 状況 | 判断 | 最初の対応 | 次に調べる情報 |
|---|---|---|---|
| 棚卸表だけでは動かない理由が分からない | 処置を決める列が不足している | 22項目の案から不足する情報を補う | 基準日、滞留理由、使用可否 |
| 全件を調べ切れない | 調べる順序を決める | 滞留日数と在庫金額で並べ替える | 品質、仕様変更、保管場所のリスク |
| 処置案が決まらない | 調査の順序と決裁期限が曖昧 | 使用予定、品質、転用条件を順に調べる | 担当者、決裁者、完了予定日 |
| 仕掛品の経過日数を出せない | 工程実績を基準にする | 記録から最後の実工程と日を調べ、不明は不明と残す | 停止理由、次工程への投入可否 |
長期滞留在庫リストは処置を決める情報を1行に集める
棚卸表は、ある時点の数量と金額を把握する資料です。それに対して滞留在庫のリストでは、残った理由を調べ、保管継続、優先使用、転用、再加工、売却や廃棄の検討へつなげます。上の表は、そのために不足しやすい情報を分けたものです。元の棚卸データを理由なく書き換えず、照合する番号と処置の列を設ければ、数量の根拠と判断の経過をそれぞれ追えます。
原材料、仕掛品、製品は同じ一覧に置けますが、在庫区分を分けましょう。材料を使った日、仕掛品を加工した日、製品を出荷した日は、同じ「動いた日」でも内容が違います。また、補修用、試作用、顧客支給品、保留品は、保有理由や所有者も分かるようにします。とくに顧客の所有品は、自社在庫と同じ判断だけで転用や処分を進めないよう、許可を得る相手を特定してください。
長期滞留とする日数は、受注方式、調達期間、生産周期、補修部品の保有方針と合わせて決めます。長く動かないことと、使い道がないことは同じではありません。保管を続ける品目には、対象の受注や保守方針などの根拠と、次に見直す日を残しましょう。ただし、保有理由があっても品質や使用期限の条件は別に扱い、期限切れや状態不明のまま使用へ回さないようにします。
長期滞留在庫リストに入れる22項目の設計例
下の22項目は、品目の照合、滞留の根拠、現物の状態、処置の順に読む構成です。法令などで一律に定められた22項目ではなく、担当者が判断材料をそろえるための案になります。同じ品番でも、ロット、保管場所、使用可否が違えば別の行に分けましょう。管理番号は完了後も変えず、元の在庫記録と判断の履歴をつなぐ番号として使います。
| 分類 | 項目 | 入力と照合の基準 |
|---|---|---|
| 識別・照合 | 1. 管理番号 | 行を特定する連番。完了後も変更しない |
| 識別・照合 | 2. 在庫区分 | 原材料、仕掛品、製品、補修用、保留品など |
| 識別・照合 | 3. 品番 | 品番マスターと同じ表記で記録する |
| 識別・照合 | 4. 品名・仕様 | 材質、寸法、版数など対象を特定する情報 |
| 識別・照合 | 5. ロット・製番 | ロット単位で追跡する場合に入力。非該当と未判明を区別 |
| 識別・照合 | 6. 保管場所 | 棚、区画、外部保管先など現物を探せる単位 |
| 数量・金額 | 7. 現有数量 | 現物を数えた数量。差異は別途、差異記録へ残す |
| 数量・金額 | 8. 単位 | 個、本、kg、枚など。数量の意味を固定する |
| 数量・金額 | 9. 在庫単価 | 社内で定めた管理用単価と、その基準を記録する |
| 数量・金額 | 10. 在庫金額 | 現有数量×管理用単価。調べる順序の材料にする |
| 分類 | 項目 | 入力と照合の基準 |
|---|---|---|
| 滞留判定 | 11. 滞留判定の基準日 | 最後に実質的に動いた日を日付で記録する |
| 滞留判定 | 12. 基準日の種類 | 最終出庫日、最終工程実績日、最終出荷日など |
| 滞留判定 | 13. 滞留日数 | 集計日-基準日。設定した日付をもとに計算する |
| 滞留判定 | 14. 最終移動内容 | 出庫、加工、出荷など。引当解除は実物の移動と区別 |
| 原因・現物 | 15. 滞留理由 | 根拠に合う理由を選び、個別の経緯を補足する |
| 原因・現物 | 16. 現物確認日 | 数量、表示、状態を実際に見た日 |
| 原因・現物 | 17. 品質・使用可否 | 使用可、条件付き可、不可、要確認で記録する |
| 原因・現物 | 18. 需要・使用見込み | 対象案件、見込み時期、回答者。不明なら不明とする |
| 意思決定 | 19. 処置区分 | 保管継続、発注停止、優先使用、転用など |
| 意思決定 | 20. 処置案の詳細 | 調査する内容、実施案、承認と使用の条件を具体的に書く |
| 意思決定 | 21. 担当者・決裁者 | 調査する人と最終判断する人を分けて記録する |
| 意思決定 | 22. 期限・完了日 | 次に回答・見直しを行う期限と、処置を終えた日を残す |
識別・数量・金額の表にある在庫単価と金額は、調べる順序を考える管理用の情報です。高額な在庫を先に見る材料にはなりますが、この表の数字だけで会計上の評価や損失処理を確定するものではありません。単価の基準を残し、売却、廃棄、評価に関わる扱いは、経理や管理責任者が定めた判断と決裁の手順へ渡してください。
長期滞留在庫管理表をExcelで使う
Excelでは、この記事の22項目を情報のまとまりとして扱い、担当者と決裁者、期限と完了日などを別の列に分けています。そのため、22項目がそのまま22列という構成ではありません。調べる人と判断する人、次に回答する日と処置を終えた日を分けると、調査中なのか、判断待ちなのかを読み取りやすくなります。
ファイルには、自社データを入力する「管理表」と、原材料、仕掛品、製品の架空例を置いた「記入例」があります。先に記入例を見て、どの欄に事実を入れ、どの欄に処置の予定を書くかを比べましょう。その後、下の順に管理表へ入力します。例の数値や日付を自社の実績として残さず、手元の記録で裏付けられる内容へ置き換えてください。
- 集計日を設定し、まず10件を入力する
- 日数と期限を見て、担当者を決める
- 月次更新では完了記録を残す
管理表の入力枠は200件分です。記入例は別のシートにあり、管理表の件数集計には含まれません。例を消さずに見比べながら入力できますが、実際の在庫は管理表へ記載します。行数が足りなくなったときに、書式だけを下へ延ばして計算や選択肢も引き継がれたと思い込まないようにしてください。
集計日を設定し、まず10件を入力する
最初に「管理表」のB4「確認日」と更新者を入力します。この日付は今回の集計に使う基準日であり、ファイルを開いた今日へ自動で替わるものではありません。月末時点を残したい場合は、その日を設定します。先月の状態を保存できる一方、更新し忘れると日数や期限判定も古い日付のままになるため、作業の冒頭で設定日を見てください。
まずは月末在庫から調べる10件を選び、管理番号、在庫区分、品番、数量と単位、保管場所を入力してみましょう。同じ品番でも、対象ロットや状態が違えば分けます。滞留の起点には、対象在庫の最終出庫日、最終工程実績日、最終出荷日など、根拠がある実際の動きを使います。別ロットの新しい入出庫で、棚に残る古い在庫の日数をリセットしないことが大切です。
薄い青色は入力欄、薄い灰色は自動計算欄です。在庫金額は数量と管理用単価、滞留日数は先頭に設定した集計日と各行の基準日から求めます。日付が分からないときに、警告を消すための仮の日を入れないでください。未判明のまま残し、探す記録と調べる担当者、回答日を処置案へ書きます。計算結果が出ないことも、調査中である情報として扱いましょう。
日数と期限を見て、担当者を決める
滞留理由、品質・使用可否、処置区分は選択肢から入力します。「その他」を選ぶ場合は理由補足へ具体的な内容を書きます。「条件付き可」は、使える条件がすでに定まり、その根拠を残せる場合の区分です。検査をすれば使えるかもしれないという段階なら、「要確認」とし、検査や判定の結果が出るまで使用可能な在庫へ含めないでください。
入力したらフィルターで対象を絞り、日数、金額、状態を合わせて見ます。日数の長さだけでは、保管を続けるか、別用途へ回せるかは決まりません。使用予定と現物、仕様を調べる担当者を割り当て、最終判断する決裁者と回答期限を入れましょう。処置区分を選んだことと、発注停止や転用を実際に承認したことは分けて記録します。
期限を過ぎた行は色で探せますが、判定は先頭に設定した集計日をもとに行われます。今日の日付で自動監視し続ける仕組みではないため、期限を見る時点に合わせて日付を扱ってください。「保管継続」の品目にも見直す期限を置き、保有理由や使用予定、現物の状態が変わっていないかをたどります。
月次更新では完了記録を残す
翌月の入力前には、前月分を年月付きのファイル名で保存し、作業用の集計日と更新者を替えます。処置を終えた行には、完了日、完了時の残数量、処置結果の3項目を残します。ただし、3項目を何かで埋めれば完了になるわけではなく、日付の前後関係や数量の範囲なども数式で判定されます。画面上の完了表示だけで決裁や実施が済んだとせず、実際の結果と根拠を照合してください。
上部の未完了・期限超過の件数を見た後は、各行の「入力確認(自動)」欄も読みます。完了表示が出ていても、ほかの項目の不足がなくなるわけではありません。表示された内容を元の記録と照合し、不明な値は調べる担当者へ戻しましょう。完了行を隠したい場合はフィルターを使えば、管理番号と経緯を残したまま、作業対象を絞れます。
管理用の在庫金額を比べる際は、使った単価基準も見ます。単価の取り方が違う行を、そのまま優先順位だけで比較すると判断を誤るためです。また、金額が小さくても品質や保管状態に問題があれば先に対応する場合があります。金額の表と、現物や仕様について得た情報を組み合わせて処置を決めてください。
原材料・仕掛品・製品で滞留判定の基準日を分ける
下の表は、在庫区分ごとに実際の動きをたどる起点の例です。日付だけでなく、何が起きた日かも残しましょう。棚卸調整や置き場所の変更、引当解除は、対象物を使用・加工・出荷した日とは区別します。最近の受入れがあっても、残っているロットが動いたとは限りません。対象在庫へ結び付く記録を使い、まだ一度も動いていないものは入庫などの起点から扱います。
| 在庫区分 | 基本にする基準日 | 併せて調べる情報 | 主な照会先 |
|---|---|---|---|
| 原材料 | 最終出庫日 | 未使用なら入庫日、最終受入日、代替使用の可否 | 購買、生産計画、現場 |
| 仕掛品 | 最終工程実績日 | 最後の工程、停止理由、次工程への投入可否 | 製造、品質、設計 |
| 製品 | 対象の最終出荷日。未出荷なら入庫等の起点 | 受注残、販売見込み、仕様・図面改訂の有無 | 営業、設計、出荷担当 |
仕掛品の工程実績が不明なら、製造指示、作業票、検査記録、現物表示を探します。ただし、その中の最も新しい日を加工日として代入することは避けてください。指示を出した日や帳票を作り直した日は、実際に加工した日とは限らないためです。配布表には暫定日や引当解除日の選択肢もありますが、使う場合は資料名と日付の意味を明記し、実際の滞留期間と同じ値として比較しません。裏付けがない日付は埋めず、工程実績未記録として調査を続けましょう。
日数・金額・状態から今月調べる対象を選ぶ
全件を同じ深さで調べられない場合は、明細ごとに日数、金額、品質や仕様のリスクを見て順序を付けます。下のA・B・Cは、そのための運用例です。月次の対象を選ぶ考え方であり、安全や品質上の問題を今月末まで待つ意味ではありません。使用可否が不明な現物などは、自社の保留手順に沿って先に扱いを決め、調査と決裁の期限を付けてください。
- A:長期かつ高額、使用可否不明、保管場所不明。優先して現物と処置を調べ、緊急の保留や判断は月末を待たない
- B:滞留しているが、使用予定または転用候補がある。予定日と次に見直す期限を設定する
- C:補修用など保有理由が明確で状態も適合する。次に見直す日を設定し、承認した条件で保管する
日数区分には、30日、90日、180日、1年超といった置き方があります。ただし、これは品目群ごとの基準を考える例です。受注生産の周期や調達期間より短い基準を一律に当てると、通常の在庫まで毎回抽出されます。先に使用周期と保有理由を調べ、日数の区分と、品質・使用期限による対応を分けて運用しましょう。
滞留理由は再発防止につながる選択式で記録する
滞留理由は、選択式の区分と、経緯を書く欄を組み合わせます。自由記述だけでは同じ理由を集計しにくい一方、選択肢だけでは、なぜその判断になったかを追えません。区分を選んだ根拠として、受注取消や仕様変更の記録を結び付けてください。個人の責任を決める欄ではなく、発注や計画変更のどの段階を見直すかを考える材料にします。
- 見込み違い、受注取消・失注、設計変更、仕様変更
- 最小発注量、発注過多、工程停止、不良・選別待ち
- 余り材、保管場所不明、その他
「その他」には理由補足を添えます。月次では理由別の件数と管理用の金額を見て、多い理由を一つ選び、その明細を読み直しましょう。たとえば最小発注量が関係しているなら、発注単位や共通材料への転用、承認時に見る条件が検討候補です。ただし、件数が多いだけで原因を確定せず、受注や発注時の記録から、実際にどの条件が重なったかを調べます。
使用予定・品質・転用条件を調べて処置を決める
処置を検討する際は、まず使用予定と現物・仕様の適合を調べ、その後に転用や再加工の候補を考えます。使い道がありそうでも、品質判定や顧客の許可が済んでいなければ使用へ進めません。また、廃棄案を選んだだけでは廃棄の承認にもなりません。結論が出ない行にも、調べる内容と担当者、回答期限を付け、判断待ちの理由が分かる状態にしましょう。
- 1. 受注残、生産計画、保守対応での使用予定を、営業または生産計画担当が調べる
- 2. 現物、仕様、図面改訂、保管状態を評価し、使用可・条件付き可・不可・要確認に分ける
- 3. 使用予定がなければ、他製品への転用、別案件への振替、再加工の条件を設計・製造・営業で調べる
- 4. 保管継続、発注停止、優先使用、転用、再加工、売却検討、廃棄検討、要調査から処置区分を選び、決裁者と期限を記録する
処置案には、「営業担当が対象案件の使用予定を調べ、指定日までに回答する」のように、人、質問、期限を書きます。月次会議前という期限を使う場合も、実際の日付を決め、急ぐ案件は会議を待たずに判断する担当者へ渡しましょう。承認経路を設ける際は、ノーコード承認アプリを作る前に決める12項目も参照し、入力担当と判断する人の役割を分けてください。
長期滞留在庫リストの記入例
下の表は架空の記入例です。全22項目を一度に載せず、処置を考える部分を抜き出しています。管理番号、区分、品番、数量、基準日、状態、担当者、期限などをそろえますが、不明な事実まで推測で埋めるものではありません。日付や数量が未判明なら空欄と調査内容を残し、該当しない場合とは区別します。実際のファイルでは、22項目を複数の列へ分けた入力欄に合わせて記録してください。
| 項目 | 原材料の記入例 | 仕掛品の記入例 | 製品の記入例 |
|---|---|---|---|
| 管理番号・在庫区分 | AI-001/原材料 | AI-002/仕掛品 | AI-003/製品 |
| 品番・数量・場所 | MAT-例001/12枚/材料棚B-2 | WIP-例014/6個/仕掛棚C-1 | FG-例021/4台/製品棚A-3 |
| 基準日・種類 | 記録で特定した最終使用日/最終出庫日 | 記録で特定した最終加工日/最終工程実績日 | 記録で特定した最終出荷日/最終出荷日 |
| 滞留理由 | 余り材 | 工程停止 | 仕様変更 |
| 現物・使用可否 | 月次棚卸日/条件付き可 | 月次棚卸日/要確認 | 月次棚卸日/条件付き可 |
| 処置案 | 設計が転用条件を調査。新規発注の停止は決裁後に実施 | 品質担当が状態を判定し、製造が再加工の条件と工数を調査 | 営業が販売・転用の候補と許可条件を調査 |
| 担当者・決裁者・期限 | 設計担当/購買責任者/次回月次会議前 | 製造担当/製造責任者/次回月次会議前 | 営業担当/管理責任者/次回月次会議前 |
表の「条件付き可」は、使える用途や条件の判定が済んでいる想定です。転用先の承認などが未了なら、その条件を満たすまで転用を実行しません。一方、仕掛品のように検査や調査が残っている例では「要確認」を使います。条件の内容、判断した人、根拠となる記録を処置案へ添えると、担当者が替わっても、どこまで決まっているかを引き継げます。
月1回の更新と変更時の記録で処置を追う
更新は月次を基本にしつつ、設計変更、受注取消、工程停止などが起きたら、その時点で対象行を追加・更新します。月末まで待つと、使えない在庫を使用予定へ含めるおそれがあるためです。現物を見た人、表を入力した人、処置を決裁した人は分けて残しましょう。兼務していても、調査した日と判断した日、実施した日はそれぞれ記録します。
- 棚卸担当:保管場所、現有数量、表示、外観を調べ、現物確認日を入力する
- 在庫管理担当:在庫データを取り込み、滞留日数を更新し、優先度を付ける
- 関係部門の担当者:使用予定、品質、転用、再加工の可否を期限までに回答する
- 管理責任者:処置区分と期限を決裁し、期限超過行への対応を決める
共有場所には「長期滞留在庫リスト_年月」のように保存し、更新日と更新者を残します。月次会議では、新規滞留、期限超過、処置完了、理由別の再発傾向の4点を見ます。とくに期限を過ぎた行は、担当者へ催促するだけでなく、何の回答や判断を待っているかをたどりましょう。完了行も削除せず、完了日、処置結果、残数量を履歴として残します。
現物の記録を紙からフォームへ移すなら、スマホで棚卸入力するフォームの作り方が参考になります。また、対象品や場所を呼び出す方法としては、バーコードから品番マスターを呼び出す仕組みも候補です。ただし、入力手段を替えても現物の状態や処置の決裁が自動で確定するわけではありません。先に記録と判断の担当を決めてから、入力方法を選びましょう。
よくある質問
滞留日数は何日から設定すればよいですか?
品目群の使用周期と保有理由から決めます。30日、90日、180日、1年超という区分は出発点の例であり、全品目へ同じ処置を求める基準ではありません。月次で抽出された明細を読み、通常の在庫ばかりが対象になるなら区分を見直してください。補修用や受注生産用は保有理由と見直す周期を別に持たせ、品質や使用期限はその周期とは別に管理します。
受注生産の材料や補修用部品も一覧に入れるべきですか?
一覧に含めたうえで、通常在庫と保有理由を分ける方法が使えます。対象の受注や保守方針、次に見直す日を残し、根拠が続くなら保管継続とします。ただし、使用見込みがあることだけで現物が使えるとはいえません。保管状態、仕様、期限なども評価し、保有根拠が失われたときや状態が変わったときは、改めて処置を判断してください。
仕掛品で最終工程実績が記録されていない場合、何を基準日にすればよいですか?
最も新しい帳票の日付を、自動的に最終加工日へ置き換えないでください。製造指示日、作業票の記入日、検査日、表示を付けた日は、別の出来事を表す場合があります。対象の仕掛品へ結び付く記録から実際の工程と日を調べ、判明しなければ未記録として担当と回答期限を残します。参考日を暫定使用する場合も、資料名と日付の意味を明記し、実績から求めた滞留日数とは分けて扱いましょう。
処置が決まらない品目は、誰にいつまでに調べてもらえばよいですか?
質問の内容で担当を分けます。受注や販売見込みは営業、仕様や転用は設計、工程と再加工は製造、状態や使用可否は品質など、判断に使う情報を持つ担当へ渡します。処置案には質問、担当者、回答日を書き、決裁者には判断する日を設定してもらいましょう。緊急性がある場合は月次会議まで待たず、自社の保留・判断手順に沿って扱います。
処置完了した滞留在庫の行は削除してもよいですか?
完了後も行を残し、実施した処置、完了日、残数量と根拠を記録します。保管継続という判断で残数量がある場合は、次に見直す予定も引き継ぎましょう。表示を絞るだけならフィルターが使えます。別シートへ移す運用を選ぶ場合は、自動で履歴が管理されると思わず、集計範囲への影響と管理番号から元記録へ戻れることを、移す前に調べてください。
まとめ
まずは月末在庫から調べる品目を選び、管理番号から期限・完了記録までの22項目を自社の表へ当てはめましょう。その後、対象の原材料、仕掛品、製品について、実際の動きとその日付、現物の状態、使用予定をたどります。基準日が不明な行も捨てず、調査する人と回答日を付けることで、数字を出すための表から、次の処置へ進む表になります。
運用後は、期限超過の件数、処置までの日数、理由別の件数と管理用金額を月ごとに見ます。ただし、数値の変化だけで良し悪しを決めず、どの在庫をどの根拠で保管・転用・処分したかを読み合わせてください。処置案、承認、実施結果をつなげて残すと、同じ理由の滞留が起きたときにも、前回の判断を次の見直しに使えます。

