同じ品番の複数注文へ出荷するときの割当表|受注明細と今回数量を結ぶ

同じ品番を複数注文へ割り当てる方法を扱う記事の表紙 生産・品質管理

品番が同じでも、出荷数量は受注明細ごとに割り当てる

同じ品番を複数の注文へ出す日は、集めた総数が合っていても、注文ごとの数量が逆になっている場合があります。そこで、注文番号と明細番号を組にして、今回出す数量・行先・現品を結ぶ割当表を作りましょう。受注明細とは、注文書の中で品番や数量が書かれた1行のことです。品番が同じという理由でまとめず、どの注文のどの行へ出すかまで記録すると、梱包や伝票へ渡す数量も追いやすくなります。

この記事は、同じ品番を2件以上の注文へ振り分ける場面の運用例です。紙や普段の表計算でも、注文と現品、指示と実績を結ぶ欄から始められます。受注残の計算は、受注残と今回出荷数の分け方を参照してください。ここでは、その残数に対して今回いくつを割り当て、どの箱や指示で出すかを扱います。

最初に「注文の残り」と「割り当てられる現品」を分ける

注文の残りが合計160個でも、今回使える現品が120個なら、160個を出す指示にはできません。反対に、現品が足りていても、指定日より早く納めたり、別拠点へ送ったりしてよいとは限りません。下の資料をそろえ、受注担当が分納の条件を、倉庫担当が使用できる現品を調べます。注文側の条件と現品側の条件がそろってから、今回の数量を割り当てましょう。

割当前にそろえる資料
資料見る項目間違えやすい点
有効な注文・変更記録注文番号、明細番号、数量、納品先、納期品番が同じ別注文を合算する
確定した出荷実績明細別の今回前累計未出荷の指示を実績へ加える
現品と保管記録ロット、仕様、使用可能数、他注文の引当検査待ちや他の用途に確保した分を含める
今回の分納条件今回数量、日付、行先、指定の表示在庫があるだけで全量を出す

上の表にある「引当」は、特定の注文のために数量を確保することです。先に別注文へ引き当てた20個があるなら、その20個を今回も使える数へ重ねて入れません。割当表には基準日時を残し、その後に入出庫や使用保留があった場合は、影響する行を再照合します。棚で数えた量と、今回使ってよい量を分けることが、二重割当を避ける出発点です。

架空例:同じ品番の120個を70個と50個へ割り当てる

下の表は架空の例です。品番P-12で同じ仕様の使用可能な現品が120個あり、注文Aは100個のうち30個を出荷済み、注文Bは80個で未出荷とします。注文Bには今回50個の分納が合意されており、Aも今回の納入条件に適合している前提です。別注文の引当や、並行中の出荷指示はありません。この条件なら、Aの残りとBの今回分を同じ現品から割り当てられます。

注文と今回数量を結ぶ割当表の記入例
注文/明細納品先受注総数今回前累計今回割当出荷後予定残
A-101/01顧客A・第1工場100個30個70個0個
B-204/02顧客B・東倉庫80個0個50個30個
今回の合計2か所集計用集計用120個明細別に管理

まずは明細別に、Aは100−30−70=0個、Bは80−0−50=30個と計算します。その後、70+50=120個が、今回使える現品120個以内かを見ます。明細ごとの上限と、現品全体の上限は両方必要です。合計120個だけを見ていると、Aへ50個、Bへ70個と逆に配った誤りを見落とします。総数だけでなく、今回の合意数量と行先へ戻って照合しましょう。

割当から実績確定までを5つの作業に分ける

  1. 対象を固定する。注文番号・明細番号・品番・仕様・単位を転記し、元資料の番号と照合します。
  2. 今回数量を記入する。受注残と合意済みの分納条件を照合し、明細別の数量と、使える現品に対する合計を比べます。
  3. 指示と現品を結ぶ。各行へ出荷指示番号と版を記入し、現品票・箱札にも対象の注文と明細を表示します。
  4. 梱包と伝票を照合する。注文ごとの置き場を分け、数量・行先・箱番号を現品と有効な指示版で照合します。
  5. 実際の出荷を記録する。実出荷数量と日時を明細別に残し、正式な出荷実績から現在の累計を更新します。

割当表には、上の数量表に加えて、割当ID、基準日時、品番、ロット、指示番号と版、照合担当者、実績記録番号を持たせます。上の5つの作業を同じ番号でたどれるようにするためです。同じ納品先・同じ便の複数注文を、顧客指定で1箱にまとめる場合も、箱の中を注文別に追える内訳を残します。今回の例のAとBは納品先が違うので、同じ箱にはまとめません。

割当は予定であり、実績は実際に出した数です。たとえばBを40個しか出さなかったなら、Bの実績は40個、残りも40個になります。元の50個の指示を消して合わせるのではなく、変更理由、合意と指示の改訂、実出荷の記録を結んでください。当日の割当や今回前累計を次回用に上書きせず、次の指示では確定した実績から求めた累計を使います。

不足・変更・複数担当では、割当の根拠を照合し直す

割当をそのまま使えない場合
状況照合する内容更新する記録
120個のうち10個が使用保留どの注文へ影響するか、分納変更を認められるか使用可能数、今回数量、対象指示の版
Aの納品先だけが変更正式な行先と適用時点Aの行・箱札・伝票。Bは変更しない
別担当が同じ現品を確保同じロットや数量を二重に引き当てていないか正式な引当記録、更新担当、照合時刻
同じ品番でも図面版が違うどの注文へ使える仕様か仕様別・ロット別の行へ分ける

上の表のように不足や変更が出た場合は、影響する明細を保留し、受注担当へ納期と顧客条件を照会します。その場で均等に減らしたり、常に古い注文を優先したりする決め方にはしません。また、複数人が同じ現品を割り当てるなら、更新を一人に集める運用か、競合を扱える仕組みを設けます。保存する直前にも他の割当を含めた現品数と照合し、同時に開けることと、二重割当を防げることを分けて考えましょう。

割当を決めた後の出荷指示を帳票にする

割当後に明細ごとの出荷指示を残したい場合は、自社商品「出荷確認・数量変更記録」が候補になります。受注数量、今回前累計、今回数量を手入力し、残数と印刷用の出荷指示票を表示する有料Excelで、価格は2,980円(税込)です。この記事の複数注文への割当表を自動作成する機能や、在庫の自動引当はありません。先に割当の条件と数量を確定し、その結果を明細別の指示へ渡す用途で使います。

数量は整数の「個」、出荷記録と数量変更履歴は各100行までです。前累計や変更履歴も手入力で、同じ受注明細の未完了指示は一度に1件とする運用です。Windows版Excelで検証されており、Mac版とGoogleスプレッドシートは未検証です。購入前に、対応環境と使える範囲を販売ページで照らしてください。出荷確認・数量変更記録の内容と利用条件を見る

指示票へ渡す項目は、出荷指示を書面化する手順で解説しています。まずは同じ品番の2注文を選び、合計数量と明細別数量の両方を、現品、指示、実績へたどってみましょう。途中で対応が分からなくなる箇所には、箱番号や指示版などの欄を補います。次回の累計までつないで読めると、割当の予定を出荷済みとして数える間違いも見つけやすくなります。

タイトルとURLをコピーしました